
光回線の工事ってどんなことするの?光回線の工事費用はどれくらい?といったことが気になっていませんか? 光回線は作業員が家の中と外で回線を通すための工事を行い、1~2時間ほどで終わる簡単な内容となっています。 工事内容や費用は、戸建てやマンションによって変わります。場合によって工事不要になるケースや、建物に穴をあけるケースもあるので、どのような工事になるか把握しておくと安心です。 この記事では、光回線の工事に関する基本的な情報だけでなく、以下のような疑問も解決できる内容となっています。 ・マンションで光コンセントがあれば工事不要? ・工事費用はどれくらい?工事費無料にする方法はある? ・工事で穴あけが必要なケースとは? ・光回線の工事ができないケースとは? 他にも工事前に知っておくと役立つ注意点も紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
光回線の工事の内容
光回線の工事内容は、戸建てやマンションなどの建物のタイプによって変わります。いったいどのような工事内容になるのか、それぞれの例をあげて工事内容を紹介していきます。
戸建ての場合
戸建ての工事は、光回線を電柱から家に引き込む工事になります。 作業員は2〜3人で、電柱工事用の作業車が入る大がかりな工事になりますが、工事時間はおよそ2時間前後で終わります。 工事当日に作業員と打ち合わせをして、工事内容や費用に問題がなければ工事開始となります。
工事の流れ
戸建ての基本的な開通工事の流れは以下のようになっています。 ①近所の電柱から光回線を引き込む ②光回線を室内に引き込み配線する ③インターネットに必要な機器を設置する 詳しい内容を解説していきます。
1.電柱から光回線を引き込む
近くの電柱から光回線を引き込む作業をおこないます。※画像引用元:wikipedia 住宅地で道がせまい場合、作業車が近所迷惑にならないか心配になりますが、交通整理の警備員も来てくれるので安心して大丈夫です。 電柱から引いた光回線(光ファイバーケーブル)は、電話線やエアコンダクトの穴を利用して室内に引き込みます。
屋外の工事は、およそ30分~1時間ほどで終わります。外に出て立ち会う必要はないので、工事の間は自宅待機していれば大丈夫です。
2.室内に光回線を引き込む
室内の工事は、壁にインターネット用のコンセント(光コンセント)を取り付け、光回線を配線する工事になります。 光コンセントの設置は、室内の電話線のモジュラージャックや、電気コンセントのパネルを交換して取付けます。 パネル交換が難しい場合は分離型タイプの光コンセントが使われますが、両面テープで設置できるので、壁に大きな穴をあける心配はいりません。光コンセントの設置場所は自分の希望が出せるので、設置場所をこだわりたい人は、あらかじめ作業員に相談しておくと失敗することはないでしょう。
3.機器を設置する
光コンセントを設置した後、「ONU」という通信機器を接続し、問題なくインターネットができることが確認できれば工事終了となります。 ONUとは、光回線をとおってくるデータを、パソコンやスマホで見れるように変換してくれる機械で、インターネットをするために必要不可欠なものです。ONUは有線接続できる台数が1台までなので、接続台数を増やしたい方は、WiFiルーターを用意して自分で設置しなければなりません。
ONUにWiFiルーターを繋げば、上の図のようにスマホやゲーム機などさまざまな端末でインターネットができるようになります。 Wi-Fiルーターの設置は、説明書を見れば誰でもかんたんに配線できますが、どうしても自信がない方は、契約した光回線の事業者の窓口に相談してみてください。 窓口に相談すれば、電話でのリモートサポートや訪問サポートを提案してもらえるので、どんな問題でも解決することができます。
マンションの場合
マンションの場合、あらかじめマンションの共有スペースまで光回線が引き込まれているので、光回線を共有スペースから室内に引き込む工事になります。壁に穴をあけることはないので、工事前に大家さん管理会社に許可をとる必要はありません。作業員の方は1人で、時間にしておよそ30分~1時間ほどで終わる簡単な工事です。 分かりやすいよう一般的な例をあげて解説していますが、こちらの記事で解説しているように、実際はマンションによって導入設備が違うので、建物の状況によって工事内容は変わります。 前の住人が光回線の設備を残したまま退去している場合、工事不要で工事費が安い「無派遣工事」になる可能性が高いです。 マンションで無派遣工事になるメリットは何かと多いので、以下でさらに詳しくお伝えしていきます。
無派遣工事の人
無派遣工事は工事が不要なので、送られてくる機器を設置するだけでインターネットが利用でき、工事費が2,000円で済むなどのメリットがあります。 すでに工事済みであれば無派遣工事となりますが、正式な確認方法はないので、工事日が決まるまで無派遣工事になるかは分かりません。 では一体どうすれば実際に無派遣工事になるのでしょうか。無派遣工事になるための条件について、以下で詳しく解説していきます。
光コンセントを設置している
部屋に光コンセントが設置されている場合、光回線の設備が整っている状態なので無派遣工事になる確率は高くなります。 光コンセントの設置場所が分からない人は、電話線のモジュラージャック周辺を確認し、それでもなければエアコン周りを探すと見つかりやすいです。 ただし、光コンセントがあったとしても配線されていない可能性もあるので、必ずしも無派遣工事になるわけではないという事は理解しておいてください。
契約した光回線がNTT系列
部屋に光コンセントがあっても、現在は光回線の無派遣工事ができるのは、NTT系の光回線のみになります。 NTT系列とは、NTTのフレッツ光の回線を借りて、自社サービスとして光回線を提供している事業者のことです。
※NTT系列の光回線 ドコモ光、SoftBank光、ビッグローブ光、@nifty光、So-net光プラス、OCN光など
残念ながらNTT系列以外の光回線(NURO光やauひかり)や、ケーブルテレビのケーブル回線は、NTTの設備が使いまわせないので無派遣工事にはなりません。 無派遣工事について詳しく知りたい方のために、こちらの記事でさらに分かりやすくまとめているので参考にしてみてください。
光回線の工事の費用
光回線の工事費は、契約する光回線によって変わります。
光回線 | 戸建て | 集合住宅 |
---|---|---|
ドコモ光 | 18,000円 | 15,000円 |
フレッツ光 | 18,000円 | 15,000円 |
SoftBank光 | 24,000円 | 24,000円 |
auひかり | 37,500円 | 30,000円 |
NURO光 | 40,000円 | 40,000円 |
ビッグローブ光 | 30,000円 | 27,000円 |
工事費用をおおまかに説明すると、戸建で20,000円~40,000円、集合住宅(マンションやアパート)だと15,000円~30,000円ほどかかります。 さらに光回線で地デジやBS放送を観るためのテレビ工事をする場合は、追加工事が必要なので、さらに10,000円~30,000円ほどの工事費用が加算されます。 光電話を設置する場合も工事費がかかりますが、これはNTTの局側の工事だけなので、1,000円~3,000円ほどの工事費で済みます。
工事費は分割払いできる
光回線の工事費は高額ですが、分割払いができて、毎月500円~1,000円ほど支払っていけばいいので負担になることはありません。 分割払いの回数は光回線ごとに違っていて、一律の支払い回数のとこや、支払いペースが自分で決められるとこなど様々です。
光回線 | 分割回数 |
---|---|
ドコモ光 | 12回 / 24回 / 36回 / 48回 / 60回 |
フレッツ光 | 31回 |
SoftBank光 | 24回 / 36回 / 48回 / 60回 |
auひかり | 戸建:60回 / 集合住宅:24回 |
NURO光 | 30回 |
ビッグローブ光 | 40回 |
工事費の分割払いは、クレジットカードのように利子がつくことはないので、支払い回数が多いほど支払額が多くなる心配はありません。 さらに、毎月の光回線の料金に加算されて請求されるので、支払いの手間がないのも嬉しいポイントです。
工事費無料のキャンペーンあり
さまざまな光回線があるなか、契約特典として工事費が無料になる特典がついてくる光回線もあります。 高額な工事費用を節約したい方は、工事費無料の光回線や、工事費相当の割引きが受けられる光回線を検討するとよいでしょう。 工事費を無料にする方法がさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にすると分かりやすいです。
光回線の工事の注意点
光回線の工事前に知っておくべき注意点について紹介していきます。
工事ができない場合がある
光回線が通っていない地域
光回線が通っていない地域では、光回線の工事ができません。 少しづつ光回線の対応エリアは拡大されてる状況ですが、NTTによれば住居が少ないエリア対応の優先度は低くく、待ってもらうしかないとのことです。 自分の住まいが光回線の工事ができるかどうかは、光回線の申込店で聞くか、光回線のサイトで確認することができます。
▼対応エリアがインターネットで確認できるサイト ・NTT東日本の公式サイト ・NTT西日本の公式サイト
一部の光回線は地域限定
すべての光回線が全国で契約できるわけではなく、以下のように一部の地域でしかサービスを提供していない光回線もあります。
光回線 | 地域 |
---|---|
NURO光 | 北海道、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、群馬県、栃木県、茨城県、大阪府、京都府、奈良県、兵庫県、滋賀県、三重県、愛知県、岐阜県、静岡県、福岡県、佐賀県 |
auひかり | 北海道、青森県、秋田県、岩手県、山形県、宮城県、福島県、東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、群馬県、茨城県、栃木県、新潟県、長野県、山梨県、石川県、富山県、福井県、鳥取県、岡山県、島根県、広島県、山口県、香川県、徳島県、愛媛県、高知県、福岡県、大分県、佐賀県、宮崎県、熊本県、長崎県、鹿児島県 |
コミュファ光 | 静岡県、愛知県、三重県、岐阜県 |
eo光 | 大阪府、京都府、兵庫県、滋賀県、和歌県、福井県 |
ここで紹介している光回線はあくまで一例にすぎず、知名度がないものを含めると他にもたくさんあります。 契約を考えてる光回線がある方は、住んでる地域で工事可能かどうか確認しておくと確実です。
近所に電柱がない
光回線の対応地域に住んでいても、光回線が引っ張れる電柱が近くになく、光回線を延長しようにも遠すぎて工事ができないことがあります。 工事可能かどうかは、申し込んでようやく分かることなので、残念ながら申し込み前に工事内容を把握して、判断することはできません。 ただし工事ができない原因は自分都合ではないので、契約のキャンセル料がかかる心配はしなくて大丈夫です。 光回線の工事ができない原因について詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にすればもっと分かりやすいです。
工事で壁に穴をあける場合がある
戸建ての開通工事では、場合によっては壁に穴をあけることがあります。 外から引いた光回線は、電話線やエアコンダクトから部屋に引き入れますが、そのような設備がない場合や、業者が配線が難しいと判断した場合は、壁に穴をあけて対処することになります。 壁にあける穴は、直径1センチほどの穴と、雨を防ぐためのカバーのネジ穴が数か所です。 穴の場所は、工事前の打ち合わせで相談しながら決めれるので、こだわるがある方はあらかじめ伝えておくと工事で失敗することはないでしょう。
賃貸は穴あけの許可が必要
賃貸の戸建てに住む方や、賃貸マンションで戸建て契約をする方は、電柱から光回線を引き込む工事なります。 壁に穴をあける工事の可能性があるので、あらかじめ大家さんや管理会社から許可をとっておかなくてはなりません。 許可といっても電話で確認をとるだけで大丈夫ですが、詳しい説明を求められることがあるので、ここで解説している穴あけの知識を最低限覚えておくと安心です。
工事には立ち会いが必要
光回線の工事は、立ち会う必要があります。 工事は長くても3時間で終わりますが、作業員の進捗状況や、交通状況が影響して予定が前後する可能性があるので、スケジュールに余裕を持たせておいたほうがよいでしょう。 時間に余裕がある休日に工事依頼をおすすめしますが、土日に工事予約をいれると追加料金が3,000円かかってしまうことは覚えておいてください。
立ち合いは代理人でもOK
どうしても工事に立ち会えない方は、代理人をたてることもできます。 代理人の条件は、血縁関係がある家族でなくても大丈夫なので、友人や賃貸物件の大家さんに依頼することも可能です。 ただし代理人をたてると、自分で工事内容が確認できないので、以下のようなトラブルが起きる可能性があるので注意しましょう。 「許可してないのに壁に穴を開けられてしまった」 「光コンセントの設置場所が気に入らない」 このようなトラブルを回避するには、代理人といつでも連絡がとれるようにしておくと失敗することはないでしょう。 代理人をたてたい方は、工事前日までに光回線を契約した事業者に連絡をいれて、代理人の名前や連絡先を伝えるだけでOKです。
開通工事まで時間がかかる
光回線を申し込んだ後、すぐに工事開始とはなりません。 一般的に工事までの期間はおよそ1ヶ月~2ヵ月ほどかかりますが、それ以上待たなければならない場合があります。 開通工事を急ぐ方ための判断材料として、工事まで時間がかかるケースについて紹介していきます。
引っ越しシーズン
1年のなかで最も引っ越す人が多い3月~4月は、光回線の契約が増える時期でもあり、開通工事まで2ヶ月以上待たされることがあります。 引っ越しシーズンに早めに工事をしたい方は、繁忙期前の2月までに光回線を申し込み工事予約をいれておくか、平日希望で工事予約をいれれば開通工事までが早いです。 開通工事までの間どうしてもネット環境が必要な方は、契約期間の縛りがないポケットWiFiのレンタルサービスをあわせて検討するのもおすすめです。 ちなみにNURO光やauひかりなどは、開通工事が終わるまでポケットWiFiを無料で貸してくれるサービスを提供しているので、そういったサービスを利用するのもひとつの手段として覚えておくと役立ちます。
設備が整っていない
市街地から離れた地域や、新築物件に住んで方は、開通工事までさらに時間がかかるかもしれません。その理由は、開通工事前に光回線の利用設備を整える工事が必要になるからです。 工事業者に聞いたところ、設備の工事が終わるまで一般的には数か月と言われていますが、半年待ったという方もいるとのことです。 設備が整わないと工事日の予約はできないので、工事日を決める連絡を途方もなく待つことになりますが、相談して工事日を早めにもらえた事例もあるので、工事日が決まらない方は光回線の事業者に相談することが大事です。
撤去工事が必要な場合がある
光回線を解約した後、設備を撤去するかどうか自分で決めれる光回線は多いですが、必ず撤去工事が必要な場合があります。 賃貸物件に住んでいて、大家さんに元の状態に戻して退去するよう言われてる方は、光回線の設備を撤去しなくてはなりません。 ただし、設備を残しておくことで、次の利用者が工事不要でインターネットが契約できるメリットもあるので、大家さんへの交渉次第で「撤去工事は不要」と言ってるもらえる可能性もあります。 撤去工事が必要なケースについて詳しく知りたい方は、こちらの記事で分かりやすく解説しています。
まとめ
工事といっても、建物や契約内容によって変わってくるので実際の工事は少し違うかもしれませんが、契約前の知識としてこれだけ知っておけば十分です。
工事費は高額ですが、無料にしてくれたり、相当分を割引きしてくれる光回線はけっこう多いので、節約したい方は探してみてはいかがでしょうか。

監修者N
ソフトバンク光、auひかり、ドコモ光といった光回線の営業経験を生かして、インターネットの基本的な知識をはじめ、ネット回線の選び方など役立つ情報を紹介しています。2021年の現在も某ブロードバンド事業者と太いパイプを持ち最新の情報発信に努めています。